2016年07月31日

[93] もう追いかけるのは止めようか

『体系化学』当初からの課題
 「まえがき」に明らかなように、『体系化学』は、
浪人生のための一発逆転の再入門書として著された。
高校での化学の学びが、理系と名乗るくせに、てんでなっていない、
形にもなっていない、橋にも棒にも掛からない、そんな化学難民である
GHS生の無謀な希望を叶えるための授業の積み重ねが書となった。
そして、GHS生も、読者受験生も本書を役立ててくれてきた。
それはそれでよい。だが、それでよいのか?というのが
出版直後から芽生えた疑問と課題である。

ただ、GHSでは昼間部生を主とする授業であるから、
それで十分だし、浪人生相手だからこそ、
教科書全体を解体し、再編成して、
体系的な構成へと転化できたのである。
高校生でも、二年生の後半くらいの進度からは、
学び直しが可能となる。
だが、それでよいのか?

入院患者を治療するのが医師の仕事・・・か
 これに疑問の余地はない・・・・・・そうか?
病院経営的には、「ベッドが空いています。先生方にお願いします。
入院患者を増やしてください……。」どうやって??
そう思うことがある。事故とか怪我とかの外科的な傷病は
ある確率で起こるのは仕方ないが、こちらが努力してどうなるものでもない。
しかし、防ごうとすれば防げる病はある。
長年のヘビースモーカーの行く末は、スポンジのように伸び縮みする肺が
繊維化し硬くなって、酸素ボンベのお世話になる。
長年の大酒と不摂生で肝硬変となり、血液組成が歪んで入院する。
コレステロールの蓄積で、心臓の血管が狭窄して心筋梗塞を起こす。
そうなってしまうと、「専門医」の出番である。
手厚い医療と高額な医薬品と、高度な手術・手技が発揮できる。
当然医療費も跳ね上がり、保険収入はアップするが・・・・。

 私の内科診療は、「生活習慣病」の外来患者を主とする。
要するに、会社や市町村の検診で引っかかったグレーゾーン+αの人達が
「患者」としてやってくる。
 ふつう医者は検査して薬を出してなんぼのもの(経営的には)であるし、
ずっと通院してもらうことがこれまたふつうのこととなっているが、
私の外来は、むしろ「卒業」を目指す。40代、50代から、
そこからまだ長い人生、ずっと薬を飲み続けるのは当人だって避けたいものである。
だから、いっしよに「卒業」を目指す。異常を放置している期間が長ければ
内服薬をアシストとして使うが、できれば生活改善で、減薬・休薬を目指す。
要は、病気にならないための生活を知り実践することが肝要なり。
かりに病気になっても元に戻れる軽いうちに治療することだ。
------- そんなことでは病院が潰れる?なんて心配は無用。他の部面では、
しっかりと収益を上げる仕事にかかわっているので --------

それがどうした・・・と?

浪人生は「病んでいる」ということだ
 浪人生、たとえば「化学難民」とは、化学をまともに学びそこなった人である。
いや、歪んだ化学知識を取り込んでしまったということか。
脳に取り込む「食物」が歪んでいるわけだ。それは高等教育の欠陥である。
(もっとも、部活三昧で、それを幸いにも食さなかった人もいるが・・・)
そういう「病んだ」受験生を治すための、特攻薬が『体系化学』なのではあるが、
病気になるまで放置しておいて、さあ治療しましょうというよりも、
病気にならないように学ばせて、健全な脳細胞を最初からつくればよい。
・・・・・・ふしぎな縁か、昨今は思い願ったことは現実化するようになっており、
GHS長野校では、現役高校生に対して、健全食を提供している。

高校二年生の複数名については、『体系化学』メソッドによって、
やすやすと授業の進度に追いついてしまい、夏休みに入ったので、
もう待つのもめんどくさいので、追い越してしまった。
ここからは、『体系化学』の学びが、学校の授業に先行し、
授業は単なる復習の場となる。
私の時分を振り返り、「幸せの受験生」を育てることが愉しい、
この頃である。
しかも、ある生徒は、化学が追いついて、やることがなくなったので、
物理をやっていて、そのあとに、ちろっと漢文やっていたりする。
         愉快哉!!


posted by Koujin Amano at 10:48| 体系化学