2015年01月17日

[76] 「大西化学」正統継承者、見参!!?

『医大受験』vol.14冬号に向けて
 『医大受験』は四度目の冬を迎えた。必ずセンター漢文の過去問から
東大理系漢文の過去問に切り替えるので、年数カウントが容易なのである。
 しかし、いささか傍迷惑なのはこの時期の原稿の締め切りが年末年始をまたぐことである。
なんやかやと慌ただしい(まあ忘年会もそれに含むのだが・・・)この時期、
正月くらいはゆっくりしたいと思うが、原稿文案がアタマの中に踊っている。
病院というものはカレンダー通りなので完全オフだが、どうにも落ち着かないもので・・・・。
とかなんとか言いつつ、すでに物理補筆と医薬エッセイを含む5種類の原稿を
仕事始めから早々に書いて送付しささやかに祝杯をあげ、今は再校を待っているところである。
来月の今頃には発売される予定。


『医大受験』vol.14の「化学」は・・・
 前回、代ゼミの話から、『医大受験』に絡んで、「大西化学」に触れた頃の昔話をした。
その中で「14冊の講義ノート」がある旨書いたので、今回、久しぶりに取り出してみた。
たぶん実物画像としては初披露となる。
まずは、「理論化学」90分 4コマ/週 1年分に、夏期・冬期・直前講習すべてで7冊。

大西化学ノート.jpg


「有機化学」は90分 3コマ/週1年分+夏期・冬期・直前講習すべてで7冊。
大西化学ノート有機.jpg

色鉛筆や化学定規を使用したフルカラーであり、テープから聞き起こして復習・清書した。
すべてこんな調子で書いてあり、講習の問題はコピーして貼付けてある。
気合いの入りようは半端ではなく、今みると別人の作と思えるくらい字がキレイである。
その時代のものである証拠?に、当時全盛を誇った週間ジャンプからとった「ケンシロウ」がみえる。
もちろん、当時の代ゼミのテキスト(写真撮るのを忘れた!!GHSにあるわ)もあるし、
今や入手困難な「特講シリーズ」もある。
化学特講シリーズ.jpg

有機化学は特に使用感があり、書き込み多く、補修やフィルム保護などあり。
・・・・なんだかヤフオクみたいな紹介になったが、もちろん他人に譲るつもりは一切ない。

そういえばかつて、理3だけの合格体験記集という本に、この話を書いたら
(・・・そのときはすでに大西先生は体調を崩され教壇に立たれなくなっていた)
このノートを貸してほしいという予備校生から(駿台の友人を介して)お願いがあって、
貸し出したことがある。当時は快く貸してあげたが、
1年後には催促して取り戻した経緯がある。本人が役立てたかどうかは定かではない。
「やはり、師への敬意をこめて、時間をかけてノートを作ること自体が大事なのであって、
 人の作ったものをいくら眺めても実力にはできない」と思った。
だから、二人目のお願いもあったが、断った。
 そしてしばらく、GHS生が閲覧できるように、ビニールカバーを掛けてGHSにおいておいた時期もある。
だが、所詮、「他人が作ったノートである」。大事なことは、それに匹敵する自分のノートを作ること、
これに尽きる。

 だから、これを見た人には、ゆめゆめ「貸してほしい」などというメールをGHSによこさないように
ちょっとお願いしておく。
ただし、大西化学の正当継承者は我也!!という人がいたら、話は別だ。
もちろん、一子相伝の拳などではないから、争うことはない。互いにそう自称しつつ、
 力をあわせて「大西化学」の継承発展を目指そう!!という話なら歓迎である。



posted by Koujin Amano at 19:02 | TrackBack(0) | 『医大受験』

2014年12月14日

[75] 受験有機化学と「不飽和度」

 前々回、代ゼミ本校に通っていた頃の話をしたが、「有名」・「カリスマ」・「パフォーマンス」等の修飾語がつく講師が沢山いたものだ。その並みいるスター講師の中でも、最大の看板講師は「化学の大西」こと大西憲昇先生であったのは自他ともに認めるところであった。なにせ、駿台の東大クラスに通う生徒たちが、化学だけはわざわざ代ゼミの大西化学を受講しに来るのがあたりまえだったほどである。
 夏期講習は、一番大きな教室があっというに締め切りになり、追加講座が次々に発表される。講習の講座数および追加講座数は、まさに予備校講師としての「勲章」であったのだ。
 その大西化学にはいくつもの“秘密兵器”があったが、その最強のものは有機化学における「不飽和度の駆使」であったといってよいであろう。たしかに「不飽和度」自体は、大学レベルの有機化学ではどの教科書にも書かれてある知識にすぎないのであるが、それを受験の有機化学における最強の武器に仕立て、「難問」を一刀両断で解けるように指導されたことは大西先生の大きな功績の1つである。
 しかしながら、年号が平成となって程なく大西先生急逝の報に接した。いつもエネルギッシュで、ホジィティブで、まだまだご活躍できるご年齢であったゆえに、その後の化学教育界が失ったものははかりしれない。
 私自身は、代ゼミの東大理系クラスにおいて、大西先生の最盛期ともいえる時期に、丸々一年間、レギュラー授業として理論化学90分×4コマ、有機化学として2コマ、夏期・冬期の講習とあわせてすべての講義に出席し、テープに録音したものをあとで聞き返しながら復習し、作り上げた講義ノートは、理論化学7冊、有機化学7冊、計14冊にのぼった。・・・何かの機会にお目にかけることもあるかもしれないが、文系から理系への転換において、化学を高いレベルで、完全に教わった経験は何もにも替え難い「宝」となった。それをバネに数学、物理と克服していくことで理3への道が拓けたのだから。 

 そして,時は巡り、ある経緯でGHSで化学を教える身となった。おそらくそれがなければ、14冊の講義ノート達は、書斎にひっそりと置かれて時を過ごすはずであったろう。
 GHSで有機化学を講義する流れの中で、改めて「不飽和度」の威力を再認識することとなり、『体系化学』の続編としての有機化学テキストを編むうちに、これを受験界に普及させ、生徒の学力を高めることが、大西先生の魂を継承し、その無念を昇華させる道であると思い定めたことである。

 来年二月に発売予定の『医大受験』vol.14からは、いよいよ「有機化学」の連載開始となる。もちろん、その主目的は、「秘密兵器」たる不飽和度の本当の姿を描き出すことにある。なんとなれば、あれから20数年、大西先生の教えを受けた受験生達は、各方面で第一線で活躍している年齢に達しているが、未だに「不飽和度」の内実とその斬れ味とを著したものが出てこないからである。ならば、偶然の積み重ねながらも、それをなしうる立場にある、自称 ‘大西化学の一番弟子’ たる私が成さねばならぬのであろう。
 もっとも、私とて多忙の身であるから、『体系化学』の続編として書を編むのは物理的に困難である。だが、「困難は分割せよ」といったのはデカルトだったか、幸いにして『医大受験』の連載という場が与えられている。じっくりと腰を据えてこの目的を確実に果たして行く所存である。
posted by Koujin Amano at 12:57| 『医大受験』

2014年11月20日

[74] 冬来たりなば……

 この冬もまた...
 11月になってのこの時期、各地の病院、医院では、インフルエンザの予防接種の業務が増える。
そんな中、外来には、18歳と母親という組み合わせのインフル注射希望者が続けてきたりして、「受験生ですか?」とたずねると、「はい、家族全員やります!!!」と気合いが入っている。
そんなこんなで、たまには少し本業のことも書いておこうかと思った次第......
 私の勤務する病院は、信州の小都市の地域中核病院である。二次救急も受け入れているが、それ以外の地域密着の医療業務も多岐にわたる。製造・食品業を主に中規模の工場も多いので、産業医、企業検診もやるし、近くに警察署があり検死立ち会いの依頼もある。院内には健診センターもあり、外来、病棟、訪問診療など、内科ドクター同士互いに協力し合いながらの日々の業務をこなしている。
 そんな一環で、11月からは、ナース二人と医師と事務の四人でチームを組み、周辺の企業に訪問出張インフル注射に出向く期間がスタートした。私も明確な予定のない午後に、数回ばかり出動要請が来た。
 昨日で私の割り当ては終了したのだが、接種した人数は600人超となり、最多記録である。どうやら外来師長が「アマノセンセイはかなり早撃ち」とのウワサを聞きつけ、大口顧客を私の方に充てたようである。まあ、校医さんなら1つの中学校全員を独りでやるわけだから、そんなに大仰な数字ではないのだが、外来ではぽつぽつとくる接種希望者も、工場なら、仕事の合間に厚生担当者がみごとに仕切って、切れ目なくずーっと来るようにしてくれるから、100人位なら、一時間もかからずに終わることができたりする。
 特に感謝されたのは、介護施設の職員である。病院や介護施設の職員は、インフル接種は「義務」である。もし、自分がインフルエンザに罹患して、休めばシフトが大変になるばかりではない。患者・入所者にうつしてしまったら大騒ぎになる。高齢者の場合は命に関わる。かといって、忙しい業務の合間に、接種にいくのも困難・・・・ということで、「来てもらって本当に助かります」というのは本音だろう。
 もちろん、工場だって、インフルエンザが蔓延すれば、製造ラインに影響がでる。全員受けるのが理想だが、休日に行けと強制するわけにもいかない。だけれど、接種チームが来てしまうと、「それなら・・・」という人はざらにいる。しかも、いままで逃げ回っていた人も自然に?列に加わることになる。病院にとっても、企業にとっても、地域にとってもプラスがありこういうのをWin&Winの関係というのだろう。

GHSもインフル週間
 先週と今週、GHSでも恒例のインフル接種の機会を作った。まぁ、少し足を伸ばした(?)にすぎない。総数が少人数であるから、段取りさえできていれば、一回十数人だから休み時間にちょちょいと可能である。しかも、そのあと授業であるから、万が一の体調の変化などにも互いに安心である。いうまでもなく、予備校生にとっては、この時期にインフルエンザにかかって寝込んだりしたら致命的≠ナある。
 たしかに、インフル接種をしても完全には防げはしないので、これを否定的にみたり、それを言い訳に注射のチクリから逃げる人がいるが、仮になったとしてもカゼのような軽症で済むことがほとんどである。実際、カゼかなと思って外来にきて、季節がら念のためにインフル検査すると陽性となるパターンは多いし、逆に、40℃の熱がでてインフル陽性となった場合は、たいてい予防接種はしていない・・・これは臨床上の確実な経験値である。
 まして、同じ教室でおなじ空気に触れるのであるから、他人にも迷惑をかけないという意味でも、なるべく全員接種するのが必要なことは同じである。子ども、高齢者、受験生……すべてに共通なのは、免疫力が弱いこと、インフルエンザにかかるとコワいということ、せっかくのこれまでの努力を水泡に帰さないための、GHSとしては当然の教育サービスの一環である。

『医大受験』vol.13発売
 そうこうしているうちに、『医大受験』秋号の発売となった。今回の私的 ‘目玉’ は、学習ページ初のカラーページである。製本の都合から位置的にはp.20-21の見開きとなっているが、化学アドバンスの「電池の歴史再考」のトリを飾るに相応しい仕上がりとなっている。実際にボルタの生地を訪問した読者倶楽部一般会員から提供されたものである。本稿の内容とあわせて、ボルタの偉業に触れる一助になれば幸いである。
 さて、次回からは、いよいよ、体系化学・有機化学篇の連載開始となる。『体系化学』から6年を経て、テキスト化を年々歳々重ねてきた内容を順次・適宜公開していくつもりである。
その ‘目玉’ は、まちがいなく「不飽和度の駆使」であり、化学アドバンスの続きとして相応しいレベルを心がけたいと思う。
posted by Koujin Amano at 17:33 | TrackBack(0) | 『医大受験』

2014年07月15日

[70] 医大受験・夏号の予告

VOl.12は8月20日頃発売
『医大受験』夏号は、原稿校正の終盤にさしかかっている。
読者に向けて、例によって若干の前バラシ予告をしておこう。
なかでも特筆すべきことといえば、新連載の話である。
ここ数巻で、学習ページの科目もそろってきたが、そうしてみると、
必須受験科目なのに連載がないものは、唯一「物理」のみである。
・・・もっとも創刊当時には物理の連載があったのだが、担当予備校本体が
本誌からおりたので、連載もストップして、そのまま欠落状態となっている。

余談であるが、初期に連載された物理は、「原理から考える物理」という
大変結構なタイトルであったのだが、あるGHS生がこういった。
「一回分の連載数ページで、‘原理’が5つも6つもでるのはどういうことか。
原理というものは、‘化学計算原理’のように頂点に一つあるから原理なのではないか?」
まじめに体系化学を学んでいる者としてのもっともな意見である。

まあ、それはともかくとして、やはり編集の立場にある育文社としては、
なんとか物理の連載を入れて、数学、英語、理科、国語の全揃えを果たしたいのは
自然・当然であろう。それであちこちと打診・依頼はしていたようであるが、
中々yesとならず、二巡目?にまたGHSに話が戻ってきた。
もちろん、読者受験生もおわかりだろうが、化学2つと医薬エッセイと
(+漢文)を書いているのであるから、物理まで手を伸ばすのは時間的に到底無理だと、
一巡目に断った経緯がある。そちらにかまけてしまえば、GHSの方が疎かになりかねない。

・・・・といいつつも、今回「私立医大受験生のための 体系物理 入試実戦演習」
全9ページのスタートとなった。もっとも、仕事を増やして、また各方面から心配され
気遣われるのは避けたい(^_^;)ので、共作という形にして、問題選定と解答は
GHSの卒生の若き人材にまかせて、私は監修・補筆という位置である。
以前から、私の代わりに化学や物理をGHSで指導できるのはGHS卒生しかありえない、
ということで教育に関心をもつ人材を育成することをやってきていたのである。
ようやく「支援」から「介護」へと移行しつつあるというわけだ。
そのあたりの事情は、イントロに書いておいた。初回は、体系物理と連載のコンセプトの
記述もあったため、取り上げた入試問題は日医大の1題だけにとどまったが、
体系物理の行き方を示すことはできたと思う。
「他には類がないからこその連載!」というのが執筆あたっての信条である。
その「新しさ」を、古典物理にも見いだしてもらえれば幸いである。
posted by Koujin Amano at 09:21 | TrackBack(0) | 『医大受験』

2013年10月03日

[61] 『医大受験』は3年目へと

身辺抄
 先週、九月末の日曜日、快晴まさに行楽日和。

20131003_143016.jpg

いわずと知れた、「世界文化遺産・富士山」の五合目である。
180度反転して、もう一枚。

20131003_143647.jpg

        ♫アータマを雲の上に出し〜 ♪
という歌詞はホントに正しいのかなと思ってしまった。

というのも五合目で十分こんな雲海が望めるのだから、
オナカとかヘソあたりから雲の上に出してるだろう!
(・…・)などと誰に絡むでもないツッコミモードだったのは、
酩酊していたからだろう。

なぜ富士にいったか?
もちろん、「世界遺産になったから即Go!!」というほど身軽ではないし、
また純粋でもない。

朝っぱらからずっーと宴会で着いたときにはもうご機嫌……
というのも、これは楽しいバス旅行なのである! 

実は、地元医師会の恒例行事に、参加(いや参戦か)したのである。
昨年度、病院の管理者となったおかげもあり、
医師会の行事などにも顔を出すようになり、知り合いになった。
これまでは、元々群れるのがキライで、伝統的な組織には馴染めなかった
性分で、医師の友人なども1人、2人...だったのだが。

ただ、顔ぶれをみると、ほぼ同時代を生きてきて、
今医療の前線で活躍している人達である。
交流を重ねていくとと、やはり自ずから通じるものがあるもので、
誘われるままに参加した次第である。

大都市圏とちがって、地方都市では医師も数は多くはない。
そのほとんどは、私みたいに信州の地が好きで住み着いた医師か、
地元出身者でUターンしてきた医師で構成されているから
もともと仲が良いのである。というか争っている場合ではない。

限られた医療資源なのだから、皆助け合って地域医療を
一緒にやっていくんだ……という「善い心持ち」を
共有しているのを感じる。

予備校の仕事?その反応
……そうするうちに話の流れで
「週末は東京の予備校で教えてます」(・◇・)!という話になる。

「なにー!!(`ヘ´)、医者としての仕事にもっと専心すべきじゃないのかっ!」
・・・・とか言われることは、まず無い。
「へえー、まだ物理とか化学を覚えてるんですか?すごいですねー」
「やっぱね、さすがだねー」とか言われて、色々と質問されて、
かえって、妙に親しくしてもらえたりする。

 まあたしかに、同時代の受験をくぐっていれば、
東大医学部受験がどれほどに難関であるか、
無謀ともいえる挑戦であるかは、事実的にわかっているもの。

 そろそろ自分たちの子供の受験は避けて通れない。
医師というものは、それぞれが専門の知識に特化していくもの。
ベテランになれば、専門分野については安定感をかもしだす。
中には、出身大学で非常勤講師や指導をしているドクターもいるのだから
そちらの方がよほどに“さすがですねー”というべきなのだが、
それは逆に、一般的な「学力」は失われているということでもある。
だから、大学受験生に科目を教える、というのは“特技”ないし
“特異的能力”に映るのだろう。

そんなこんなで信州の地に落ち着いて十年、色々な部面で
こんなふうに「居場所」ができてきた。その「居場所」が安定して
いるほどに、GHSへの出講もまた余裕と確実性をもってできるわけだから、
うまく両方面のバランスが取れてきている。
これが私の「ライフスタイル」っていうヤツかなと思う。

身辺抄・追
 そういえば、一点言い忘れていた。この8月半ばに転職した。
昨年4月に前職場で「病院長」を引き受けることになった旨を述べたが、
この8月で、トータル約2年に渡る契約期間が切れるのを待って、
地域の中核を担う病院へと移ったのである。
というのも、上で紹介したように、新たに親交を深めた医師仲間が
働く病院から「一緒にやろう」と誘いを受けて、
「とらばーゆ」(旧いかな?)したわけである。
まあ、見方によっては、カッコ良くいうとヘッド・ハンティング」
と言えるかもしれない。一応、それなりの「役職」についてはいるが、
平日は、外来と病棟での診療の日々である。

「どうせどこかで働かなくてはならないなら、楽しくやれるところ、
やりがいのあるところ、良い仲間がいるところ」ということだ。

実際、このバス旅行には、病院の医師仲間三人で参加した、
自称‘精鋭’というべきか、‘悪友’というべきか、ただの酒好きというべきか、
……こんなふうに肩の力を抜いて、しかし、淡々と着実に仕事をこなしていく
そんなライフスタイルである。
こういう生活の基盤があるからこそ、GHSも医大受験連載も
無理のないペースで愉しくやれているわけである。

「働き過ぎでしょ」「文章書くヒマがいつあるの?」「休みあるの?」
などと心配いただく向きも少なからずあり有り難く恐縮であるが、
その点、上記の話しで伝わるものあれば幸いである。


『医大受験』・第9号
 「季刊」だから、つまりは三年目に入ったわけである。
11月20日・冬号の発刊にむけて、化学、漢文、医薬エッセイ
すべての原稿の校正が終了したところである。
 ここ最近は、前月20日〆までギリギリの“攻防”になっていた
のであるが、転職効果もあって着々と仕事が進んだ次第である。
もちろん9月からの二学期スタートとの重なりの中でのことである。
あわせて、今回は故多田正行先生の追悼号ということで、
思考訓練の場シリーズの著者として、また、GHS講師として
「追悼文」を献じさせていただいた。

 さて、先日の授業では「体系化学アドバンス」の連載記事を、
育文社からデータでいただいて、第1〜8号までを冊子にまとめて
配布して、活用した。
 あれだけの内容を授業で口伝するのは色々と大変だから、
サブテキストとして利用できるようになったのは有り難い。

気がついてみると8回分で、100ページにおよぶ内容である。
連載公開という「ハードル」があるから、
授業でつくったデータを元に、文章的にも内容的にも再度整えることになり、
質的にアップした原稿となっている。

やはり、さすがに「ヒマ」ではないから、このように何かに手を引いてもらって、
誰かに背中を押してもらわないと進まない仕事もある。
その意味で、『医大受験』は有り難い存在である。

ところで、「体系化学アドバンス」は、次回の第10講を一区切りとして、
いったん終了することにする。それは上で述べたように、
GHSのアドバンスクラスでも使える適量のコンテンツが揃ったという区切り
でもあるが、と同時に、ここからアドバンスの道を進むには、どうしても
「有機化学」の内容に触れなければならないという事情もある。

したがって、来年度の第11号からは「有機化学」の連載開始となる。
では、次号のアドバンス・とりあえずの‘トリ’は何になるか?
それは予想して待っていてほしいが、現行の教科書での取り扱いが、
あまりにも不備でいびつな箇所に対して、体系化学テキストの
行間を埋める内容となる。山田社長には、次回は是非にカラーページを
少し分けてほしいとお願いしてある
posted by Koujin Amano at 14:44| 『医大受験』

2013年05月23日

[56] 新しきワインは、新しき・・・

毎年違うのが常なり 
GHSの生徒の顔ぶれが一新された。予備校だからあたりまえだが、
そのメンバー構成というか、全体としての色彩が、なぜか毎年のように
異なるのが実に面白い。
 昨年を振り返ると、女性が大人しく、男性が(善くも悪くも)個性的という
印象があったが、今年は男女ともに“活き”がいいというか、ノリがいい
というか、毎年変転する個性の集合体の醸し出すアイデンティテイーに、
こちらも自然に、まったく同じ授業をすることができないものである。

そうでなくても、GHSのカリキュラムもメソッドも発展・深化するから、
毎年同じモノを提供することに安住することはないのだし、むしろ、
毎年変わる顔ぶれが、その発展を支えてくれているようにも思う。

時間割も違うのが常なり
 前回触れたように、今年度は、教えることに熱意のあるGHS卒生が、
カリキュラムの一角をになってくれることになり、始動している。
化学のセメント&ドリルや、物理演習や、個別指導などに積極的に取り組んで
くれていてとても助かっている。

繰り返しになるが、「授業を任せられるのはGHS卒生でないと無理」というのが
真理である。1年かかって教えを受けて、それを今度は教える立場からさらに
深く理解するというプロセスが不可欠だからである。
共通の土台の上のに、今度は自分の個性をのせて、自分のスタイルをつくって
いけばよい。

そのおかげで、私にも少し、余裕ができた。
昨年と違うのは、「漢文」と「化学アドバンス」に専念する時間をとれたことだ。
それは、一部の二年目をすごす生徒にとっても、もちろん私にとっても
楽しい一時であると感じる。いままで時間的に踏み込めなかった地平へと
ともにすすんでいく、孤高の愉悦がある。

違うと言えば
 今年は、GHSだけでなく育文社にとっても、違った年になることだろう。
というのは、『思考訓練としての英文解釈』の第三部、すなわち完結編が
ついに刊行される年になるからである。
 「幻の原稿」がかつての通添オリオンの文献から発見されたのである。
そういう劇的な年に『医大受験』を通して関わりをもてることは希有なこと
である。もちろん、それがどんな価値があるのかわからない人には、無縁のことだが。

そして、そのおまけに、『思考訓練の場としての漢文解析』がようやくにして
公になる段階が来た。『医大受験』での連載の方が本体より先行するという
逆順になってしまったが、『体系化学』と同様、これまでにないものを
世に出すことにこそ意味があり、その観点では体系化学よりも文字通り
「画期的」かもしれない。
・・・・というのも、近代化学の歴史は高々300年程度であるが、
漢文訓読の歴史は、奈良時代から見積もっても千数百年の長きにわたる。
その伝統に対する、“コロンブスの卵”である。
今年度の授業では、それをテキストとして、それを理解するための問題演習を
行うスタイルになっている。

“毎年違って、みんないい” そういう愉しみがあるがあるからGHSなのである。

posted by Koujin Amano at 21:16 | TrackBack(0) | 『医大受験』

2013年03月29日

[55] 新たな年度に向けて

節目節目に  
 これまでの我が来し方を振り返ってみると、およそ十年毎に
人生の節目といえる出来事が起こるようになっているようだ。
京都から上り、二十年近く暮らしてしまった東京を離れ、
偶然の縁で訪れた信州に居を構えたのが十年前、
そしてこのブログでも綴ったように、昨年度はこれまでの自分の
ライフスタイルを大きく変更せざるを得ないほどの役目(本業の方で)が
巡ってきて、次から次へと新たな問題に立ち会うことになって、
誠にめまぐるしく繁忙を極めた一年であったなあと振り返る。
・・・医師という仕事をやっていても、新病棟をオープンする時に
責任ある仕事携わることなどそうそうあるものではない。
その意味では、中々貴重かつ希有な体験をいろいろ様々にさせてもらったし、
自身の診療の裾野も自ずと拡げることができたように思う。・・・
そんなこんなで一年が経過し、200床を超す新病棟の方はほぼ満床状態
経営的には軌道に乗りスタッフの動きも流れもカタチができてきた。

ただし、伝統とか歴史とかは、年々歳々の積み重ねの結果であるから、
金を出して導入する、というようなワケにはいかない。
・・・そう思って振り返ると、GHSの草創期もそうであったなぁと
懐かしくも思い出される。

本職も、節目にて  
 さすがに本業中はGHSのことを考える暇もない状態であったが、
・・・地方はやはりどこも医師不足なので「院長」センセイとか
いっても院長室にいる時間は一日10分もなく、院内PHSは
鳴りっぱなしで、病院中あちこちと常に動き回っていて・・・
週末となればGHSに出講し、ガラリとココロとアタマの切り替えが
できるわけであるから、かえって良い面も多々あると感じる。
そんな中で、私にとってはGHSも「節目」にあったと思う。
・・・・節目とか結節点というのは振り返ってみて
        はじめてそうだったと気づくものである・・・・
そのコアは、『医大受験』の連載である。
 一昨年の末に創刊した季刊誌であるが、来月には早、第7号が
でることになり、その原稿を書き終えたところである。
ご存知のように、「忙しいんだから、よせばいいのに・・・」
という声内心の小声)に耳を貸さず、化学二つの連載と漢文を
創刊号からつづけてきて、これまたよせばいいのに、
第4号からは是非にと言われて「クスリの話」を書き綴っている。
・・・「医者で儲けているだろうに、稼ぎますね〜」との
場外の声が聞こえなくもないが、『体系化学』とともに、
印税や稿料とは無縁のところに精神の置き処を定めての所為である。
もし本気で「稼ぐ」に徹すれば医師としてバイトした方が
よほどに効率的である・・・

その連載がどう「節目」なのかといえば、『体系化学』以降の、
いや、『体系化学』以外のと言った方がよいだろうか、
GHSでの実践の「実果」を、とりまとめて、練り直して、
レベルアップして外に送り出す機会が得られていること、
そしてそれが少しずつ積み重なってきて・・・最初の頃には実感が
なかったのであるが・・・“”明瞭なカタチとなってきている手応えに
充実を得ているということである。

 たとえば「私医化学」はすでに2nd Stageの酸化還元に到達し、
『体系化学』では割愛した内容も盛り込んで話が進んでいる。
すでに『体系化学』をモノした方が読めば、その上方変位をも
愉しんでいただけることと思う。
 また、たとえば「化学アドバンス」は、『体系化学』では、
触れることのなかった(標準テキストゆえだが)、
部外秘レベルの内容を公開しているが、私の立場として
そういう出し惜しみをする理由は何もなく、むしろ、
授業用の下書き的データが、公開に耐えるレベルで洗練整序される
ことのメリットの大なるを喜ぶ方がよいのである。
アドバンス化学内容はこれまでは、GHSの授業内容であったが、
これがほぼテキストレベルで仕上がった今年は、それをふまえての
更なる高みと充実を目指しての授業形態としていけるわけである。


「新年度」を描きつつ  
 GHSの今年の募集は早々に締め切りとなった。
HPや『体系化学』だけでなく、『医大受験』を手に取って、
いくつもの候補の中から、GHSに共鳴する何かを感じ、
今年も全国から希望を抱いた若者が集まってきた。
それだけではなく、GHS卒生で医学部や東大に進んだ者の中から、
教える愉しみと充実を求めて受験指導を切望する有為な人材がいる。
・・・GHSのメソッドは、そこで直接に学んだ者でないとその価値も、
充実も精華も語れないものである。しかもそれは、指導する立場に
なってさらに、その意義を感得することになるものである。

新年度は、彼らの大いなる助けをアテにして、
『医大受験』の7回にわたる連載をふまえての授業形態の創造と、
カリキュラムの深化をはかることになる。・・・私一人では、
構想はできても手が回らなかった形態を実現し遂行できること、
これも後々振り返れば、GHSでの大きな結節点となっていくに違いない。
posted by Koujin Amano at 19:03| 『医大受験』